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 末期の患者さんの往診はつらい・・・

 先日ガンの末期の患者さん(女性)を看取りました。

 2年半前にガンが分かり、翌年骨に転移していました。抗がん剤の治療をし、今年になって私が往診に行くようになりました。
 骨への転移は、痛みとの戦いと云っても過言ではありません。当然一般的な痛み止めは、ほとんど効果がありませんので「麻薬」になります。痛み止めには貼る麻薬、飲む麻薬、注射するもの多々あります。専門病院から紹介があったときから、貼る麻薬、服用する麻薬は使用していました。
 往診してどんどん悪化していくとき、かける言葉がありません。今日はどんな話をしようかといつも悩んでしまいます。亡くなる1週間くらい前からは毎日のように往診に行っていましたが、そのときに限ってよく眠られていました。内心ホッとしていました。そのときは家族とお話しをして、状態を聞いて帰っていました。亡くなる数日前に「最近Dr.が来ないのはどうしたの?」といわれ、その日も往診に行きましたが、本人は眠っており会話はしていませんでした。もう一度夜に往診に行き、手を握って「いつも眠っているときばかり往診してごめんなさい。気持ちよく眠っているのを起こすと悪いと思っていたのですいませんでした。」といってる間にもう目を瞑り傾眠状態になっていました。最後の力を振り絞って生きてるようにもみえました。「来てくれてありがとう」と小声で返事が返ってき、そのとき目から涙がしみでていました。その後は言葉にならなくて、ただ呼吸を一生懸命にしているようでした。
 私が患者さんの死を看取って、初めて涙を流してしまいました。家族の前では堪えていましたが、帰りの車の中では泣いてしまいました。もっと患者さんとコミュニケーションを取ってあげればよかったのと後悔しています・・・。