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福島の「5年以上帰還困難」住民に一括600万円 東電賠償

 「政府の原子力損害賠償紛争審査会(会長・能見善久学習院大教授)は16日、政府の避難区域の再編で5年以上帰宅できない「帰還困難区域」となる住民に対し、5年分を一括して賠償することを決めた。賠償額は1人当たり600万円。「自主避難」地域の福島県23市町村の住民には、一律8万円としていたが、今年1月以降は東京電力が住民の事情に応じて個別に決める方針。

 政府は今月末に、年間の積算放射線量に応じて福島県内の避難区域を3つに再編するが、審査会はこの見直しに伴い、各区域ごとの避難費用や精神的損害の慰謝料額を決定した。

 放射線量が50ミリシーベルトを超え、最低5年は帰宅できないとされる「帰還困難区域」について、審査会は生活再建のためには一括して支払うのが適切と判断。現行の月額10万円の慰謝料の5年分として600万円とした。

 政府は同区域に指定される地域の住民は約2万人と見込んでおり、賠償費用は同区域だけで約1200億円に上る見通し。

 20ミリシーベルトを超える恐れのある「居住制限区域」については、2年分240万円を一括で受け取るか、現行通り月額10万円で受け取るかの選択制にするものとし、年間20ミリシーベルト以下になることが確実な「避難指示解除準備区域」は、現行通り月額10万円と決定した。

 一方、「自主避難」地域の23市町村の住民約150万人について、審査会は昨年末、「精神的苦痛」の賠償額として、昨年3月11日から昨年末を対象に、妊婦と18歳以下の子供は「1人40万円」、それ以外は「1人8万円」としていた。

 しかし事故から1年が経過し、賠償の必要が薄れている人もいるとして、東電が住民の個別事情に応じて決める方法に転換した」と報道されている。

 個人に対する損害賠償に加えて、事業に対する損害賠償、健康の損害賠償、メンタルの損害賠償・・・。お金だけでもきちんと被害者救済はできないと思います。戻るためには時間がかかります。故郷を見捨てるとはいいませんが、目処をつけて、新しいことにシフトした方がいいような気がします。